電子工学科4年の 重冨 志門さん（先進電源システム研究室，共同著者：畑 勝裕 准教授、小原 秀嶺 准教授〔横浜国立大学〕）が、2025 International Future Energy Electronics Conference（IFEEC）において、論文に対して授与される Best Paper Award を受賞しました。本賞は、同学会で最も優れた論文に贈られる栄誉ある賞です。
■ 受賞論文
A Basic Study on Feedback Control of Conducted EMI in a Three-Phase Inverter Using Digital Active Gate Drive
受賞者：
Shimon Shigetomi, Katsuhiro Hata, and Hidemine Obara
（重冨 志門〔電子工学科・B4〕、畑 勝裕 准教授、小原 秀嶺 准教授〔横浜国立大学〕）
■ 研究概要
パワーエレクトロニクス機器は高効率な電力変換を実現する一方、パワー半導体のスイッチング動作に伴う電磁ノイズが課題となります。従来はノイズ対策部品を用いたハードウェア中心の対策が主流でしたが、本研究ではデジタル技術を活用し、電磁ノイズを自動調整する「ノイズ・オートチューニング技術」を提案しました。これにより、電磁ノイズ抑制の効率化と高度化が期待されています。
■ 研究目的
2050年カーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギー導入拡大やモビリティ電動化などによる脱炭素化とエネルギーの電化が進められています。本研究は、その基盤となる高効率電力変換器の大量普及に不可欠な電磁ノイズ対策を無人自動化することを目指しています。
■ 今後の展望・社会的意義
提案したノイズ・オートチューニング技術を単独の電力変換器からネットワークレベルへ拡張し、省エネルギーで安全な高効率電力供給ネットワークの構築を目指します。また、高効率電力変換器の大量導入と電力ネットワークのデジタル化を組み合わせることで、電力需給の効率化と脱炭素化（Green by Digital）に貢献することが期待されます。